2021年7月19日カテゴリー:

防災科学教室ブログ

 7月12日~16日の児童生徒安全・防犯教室週間に合わせ、小学部、中学部、高等部普通科を対象に防災科学教室を7月14日に開催しました。

 この防災科学教室は、ベルマーク財団と国立研究開発法人防災科学技術研究所の共催プログラムで、自然災害のメカニズムを学ぶサイエンスショーと身近なところで起こる災害を知る実験が行われました。

 

 前半の講演は、Dr.ナダレンジャーによる液状化現象など災害の仕組みを学ぶサイエンスショーでした。ペットボトルを使った空気砲での突風の原理や長さの違うスポンジを使った地震の揺れの体験など、怖い災害をミニチュアで再現してくれました。おもちゃで感じる突風の威力から、自然災害になった時のすごさを想像することができました。また、身近で起きた災害の例として、富士山で落石事故に遭った家族が、縦一列になって落ちてくる石を避けて逃げ切った話がありました。大災害の時は助けを必要とする人が多く、誰も自分を助けてくれない…だからこそ、「自分の命は自分で守ることの大切さ」を教えていただきました。

【Dr.ナダレンジャー&ナダレンコ】

     

【空気砲を使った風の威力の体験】

 

【発泡スチロールを使った土石流の体験】

 

【スポンジを使った地震の揺れの説明】

 

 後半の講演は、元香川県立盲学校教諭である花崎哲司先生によるお話と実験でした。音を聞き分けるという盲学校の児童生徒が得意なことを、防災・減災に活かすことができるというお話で、前日のゲリラ豪雨の時の用水路や道路の画像、音などを流してくれました。音の変化に気づいた児童生徒もおり、いざ自分に危険が迫った時、自分で考え判断できるよう、普段の状況と災害時の違いを知ることが大切であると感じていました。また、ビニールプールの中に泥水を入れ、障害物もある中での歩行体験もしました。白杖を使っているとはいえ足元の状態が全く分からないまま水中を歩くという、相当な恐怖感がある活動でしたが、子どもたちは意欲的に取り組んでいました。

 

【自分ができるちょこっと防災のお話】

 

【ブロックをもって重さを体感】

 

【水の有無によるドアの開閉体験】

 

【避難時にも使うテントの大きさの確認】

 

【泥水の中での白杖歩行】

 

 この防災科学教室では、身の回り音の変化が感じられたら、何らかの変調の兆しとして注意しなければならないということに気付ける仕掛けがたくさん用意されていました。今日の体験が災害時すぐに役立つというわけではないかもしれませんが、児童生徒一人ひとりが自分の感覚を研ぎ澄まして変化に敏感になるということが、危険回避の上でどれだけ大切かということを十分感じとることができたと思います。コロナ対策のため多くの学校行事が制限されている中、今回の防災科学教室では大変貴重な体験をすることができました。